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ガーナの作家ニイ・パークスのデビュー小説

著者:ニイ・アイクエイ・パークス
翻訳:だいこくかずえ
青 い 鳥 の 尻 尾

Tail of the Blue Bird
[この小説について]
2010年度のコモンウェルス賞最終候補作品となった、ガーナの作家ニイ・パークスのデビュー小説です。
何百年にも渡って変わることのないガーナ奥地の村ソノクロム、そこで起きた奇妙な事件。不吉な残存物(おそらく人間のもの)が発見され、それを解明するため、イギリス帰りの若い監察医カヨ・オダムッテンが村にやって来る。ヤシ酒とともに語られる村の長老オパニン・ポクの昔話と、科学的犯罪捜査による事件解明の過程がスリリングに交錯する。
アフリカと西洋社会、古い世界と新しい世界の対比の中で、現代アフリカ社会のリアルな姿が浮き彫りにされる。

[キーワード]
現代英語文学、アフリカ文学、ガーナ、呪術、監察医、ストーリーテリング、ヤシ酒、コモンウェルス賞候補作品

[出版社からのコメント]
日本語の世界では、アフリカの作家の小説(中でも若い層の作品)に触れる機会は少ない。しかし英語圏の文芸誌では、才能ある作家がアフリカからたくさん出てきている。ニイ・パークスもその一人。「青い鳥...」にはガーナ奥地の古い風習の中にある村と、今伸び盛りの新興都市アクラ(ガーナの首都)の両方が登場する。この小説の特徴の一つは、文学作品であると同時に、エンターテインメント性があること。三十代前後のアフリカの作家には、この傾向があるように見える。グローバル社会の一員となった、チュツオーラやアチェベの孫の世代により、アフリカの新たな姿が表現され始めている。

ペーパーバック版(POD)
発売日:2014年1月
価格:1600円(本体価格)
本のサイズ:ヨコ12.7×タテ20.3cm(5×8インチ)
ページ数:268ページ、左綴じ
言語:日本語
ISBN: 978-4-901274-28-9
版元:葉っぱの坑夫
販売場所:amazon.co.jp
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Kindle版(amazon.co.jp)
発売日:2014年1月
価格:500円
言語:日本語
ISBN: 978-4-901274-29-6
版元:葉っぱの坑夫
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TAIL OF THE BLUE BIRD
by Nii Ayikwei Parkes
Copyright © Nii Parkes 2009
Translated by Kazue Daikoku
First published as Tail of the Blue Bird by Jonathan Cape, an imprint of The Random House Group
表紙の写真:Baobab flower by Life Pilgrim: taken on August 8, 2010 (Creative Commons)
裏表紙の写真:European Bee-eater by Rashuli: taken on January 2, 2007 (C.Commons)

本文より抜粋:

クワシダ - ンキ・クワシ(日曜日 - 第三週七日):全文
ドウォゥダ(月曜日)
ベナダ(火曜日)
ウクダ(水曜日)
ヤウダ(木曜日)
フィダ(金曜日)
メナダ(土曜日)
著者より感謝のことば
訳者あとがき(全文)

*アマゾンサイトで「なか見!検索」もご利用いただけます。(全文の20%)
表紙
裏表紙

ニイ・アイクエイ・パークス
ガーナの出身の詩人、作家。1974年イギリスに生まれ、ガーナで育った。パフォーマンス詩人でもあるニイは、イギリス、ガーナ、ヨーロッパ各地、アメリカなどでリーディングイベントに活発に参加してきた。2007年、詩と文学への功績に対して、ガーナACRAG賞を受賞。詩集に、"Ballast: a remix" (2009年)、"The Makings of You" (2010年)がある。前者はイギリスの新聞ガーディアンに「パワフルかつ驚きの、歴史と言語のリミックス」と賞賛された。この小説の原典Tail of the Blue Birdは、2010年度のCommonwealth Prize(Best First Book)の最終候補作品となった。

photo by Martin Figura

著者ニイ・パークス、インタビュー(2013年12月)

葉っぱの坑夫:あなたはこの小説を英語で書いています。書いているときに、読者として誰を想定していましたか? ガーナ国内と国外、どちらの読者を主に考えていたのでしょう。
(ガーナの人は普段英語の本を読むのでしょうか? 日本ではあまり読まれていません。また作家も英語で作品を書くことは稀です。)

ニイ:小説に使われている言語は、読者が誰であるかということとはあまり関係がありません。わたし自身が読者の一人であるという意味でも。言語の選択は、物語をつくるときの自分の言語能力によるものです。散文においては、今のところ、英語で書くのが一番いいですね。一番書慣れている言語だからです。とは言うものの、わたしの英語は、その使い方においてわたし独自のものであり、ガーナの文化によって形づくられたものです。だからガーナの読者は(ガーナでは中学、高校と英語で教育が行なわれているので、英語で本を読むことは普通です)、国外の人よりも、文のニュアンスをより仔細に受け取っていると思います。と同時に、国外の人でもシェークスピア愛好家の人は、この本の中のオフォス巡査部長とガルバ巡査の関係に、ドグベリーとヴァージェスの要素を見つけるでしょうし、ウンベルト・エーコのファンなら、彼の小説「薔薇の名前」と響きあうものを感じるかもしれません。このように本が様々な読まれ方をすることからも、わたしの読者が誰かということを、作品を書いているときに考えることは、あまり意味がないと思っています。少年だった頃の自分にお話をしているように書いている、とも言えます。知りたがり屋で、ちょっと変わった、マンゴーが大好きな男の子ですよ。(つづきを読む

ペーパーバック版(POD)
発売日:2014年1月
価格:1600円(本体価格)
Kindle版(amazon.co.jp)
発売日:2014年1月
価格:500円

あ お い  と り の  し っ ぽ


[この小説に登場するガーナ音楽]
エギャ・クー・ニモ(koo nimo)
ガルバ巡査が車の中で聴いていた歌
カジョ・アントウィ(kojo antwi)
カヨが自宅でよく聴いている歌。
ジュエル・アッカー(Jewel Ackah)
老猟師がFMでよく聴く好きな歌
[この小説に登場する花や木、ガーナの風物の写真]
巨木アフリカバオバブ、血の色の花ンクワンタビサ、アクラの街、ヤムイモ市場、西アフリカで広く行なわれているボードゲーム「オワレ」など。