もくじ

I 壁画 >>>
わたしは高校の古典教師。ある日家の前で、隣に越してきたばかりの初老の男と鉢合わせする。男はやもめで、画家か彫刻家と噂されていた。

II イリーナ >>>
雨のリスボンで若く美しい女性ジャーナリストにインタビューを申し込まれた。自分を「作家」と好んで称すジャンは、結婚生活30年をむかえる56才。「ではホテルのわたしの部屋で」、内心ドキドキしながらそう答えた。

III ヴァージン (純潔と影) >>>
ある夜、昔の知り合いGから電話があった。おびえた声で不安げに、われわれはどうしても会わねば、と言う。何故だ? 今更。やってきたGは確かにGではあったのだが、、、、

IV 2100時 >>>
マリカと会ったのはルーマニア北部の小さな町だった。見かけだけは西ヨーロッパの街並に似たS市、そこで詩の催しが開かれ、わたしは招かれていた。

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