宿の支配人は、年配の台湾人女性で、日本語がぺらぺら。
自分のことを「おばちゃん」と呼ぶ。
宿に着いたら、早速スーパーや安い食堂の地図を描いてくれ、部屋にいると、おまんじゅうを持ってきてくれた。
気持ちがじわじわとなごむ。
旅をして、居心地の良い宿も、悪い宿も何十か所も泊まったけれど、
わたしが居心地の良い宿だと思った所には、必ずそれを支える女性がいたなあと思う。
しっかり者だけれど、程よく適当。親切でおおらか。鷹揚さのある、懐の大きな女性達。
いろいろな国でそんな女性達に、安心感を与えてもらった。
朝起きて、キッチンでごはんを食べていると、おばちゃんが現れ、
「今日、飲茶食べに行く?」とお誘いが。
午前中に郵便局に行く以外、特に予定もなかったので、「行く」と即答。
お昼になると、おばちゃんは、レセプションのボードに「2:30には帰ります」と書き、
一緒にバスを乗り継ぎ、チャイナタウンへ。
リトルトーキョーが日本だった以上に、チャイナタウンは中国だった。
これまでいろんな国のチャイナタウンに行った。
パリ、キューバ、ペルー、ハワイ、ニューヨーク・・・
どんな街でも、その一角を、中国色に染め上げ、異次元の空間を作り出すパワーには圧倒された。
同時に、漂うアジアのムードや中華料理に救われもしたし、独特のエキゾチックなムードに魅了された。
おばちゃんは行きつけらしい、いなたい雰囲気のチャイニーズデリに入り、点心など数種類買う。
どれも、とてもおいしそうだし、本当に安い。
それを、近所の別の飲茶屋へ持って行って食べるらしい。
2件目の店にも、おいしそうなものがいっぱいで、おばちゃんはさっさとお気に入りを注文してくれた。
海老餃子、しゅうまい、湯葉で何かを巻いて揚げたもの、中華まんなど。
席は地元の年配の人で埋まっている。 (つづきを読む)
22. おばちゃんって素敵〜ロサンゼルス(アメリカ)