ユディに出会ったのは、アテネからミコノス島に向かう船の中だった。
隣に座った彼は、30代のアジアの人のようだったけれど、どこの国の人なのかは分からなかった。
デジタル一眼レフのレンズを外し、丹念にレンズの埃をとったり、磨いたりと、手入れに余念がない。
ずいぶん丁寧に手入れをしているなあと思って見ていたら、
わたしのコンパクトカメラを見て、それも掃除してくれた。
それから、売店でコーヒーとクッキーを買ってきてくれて、なんとなく話を始めた。
(つつぎを読む)

20. ある夜のメッセージ〜ミコノス島(ギリシャ)