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ジャックラビット
Genus Lepus(ノウサギ属)

ジャックラビットの写真1
    ジャックラビットはワタオウサギとは違い、真正の野ウサギ属です。巣をつくらず、母ウサギは適当に好きな場所を決めて、 そこで子どもを生みます。生まれた子ウサギは毛がちゃんと生えていて、目も開いています。
カリフォルニアにはオグロジャックラビット(Black-tailed hare)、オジロジャックラビット(White-tailed hare)、カンジキウサギ(Snowshoe hare)の3種類の野ウサギ属が生息しています。このオグロ、オジロのジャックラビットがふつうジャックラビットと呼ばれます。カンジキウサギはSnowshoe Rabbitと呼ばれています。

ジャックラビットの分布範囲

オグロジャックラビットは南西部にある4つの沙漠のすべてに生息しています。いとこのレイヨウジャックラビットはソノラン沙漠やチワワ沙漠の方に多く住んでいます。

オジロジャックラビットはカリフォルニアのウサギ属の中で、もっとも大きいウサギです。重さは2.7kg〜3.6kgくらいあります。冬のあいだ、寒い地域では、毛皮が真っ白になるため、カンジキウサギと間違われることがよくあります。生息地域は、ツレイア地域からシエラネバダ山脈、カスケード山脈の東側まで、北はオレゴン州境まで。

カンジキウサギの生息域は細長く、オレゴン州境からクラマス、カスケード、シエラネバダ各山脈の高地地帯をつらぬき、はるか南のツオルムネ地帯(Tuolumne)まで伸びています。モドック地域のワーナー山脈にも少し生息しているようです。カンジキウサギは、モミの木の深い森を好み、冬には雪深い中に隠れるように住んでいるので、めったに姿を見ることができません。

ジャックラビットの生息地

オグロジャックラビットが谷や平地などの開けた場所に住むのが好きであるのに対して、オジロジャックラビットは丘陵地帯や山の中に住んでいます。 夏毛の間は、オジロとオグロの両方が生息する地域では、どっちがどっちだか見分けにくくなります。ただしっぽの裏側を見れば、オグロは茶色、オジロは白いので区別できます。

カンジキウサギは3種の中でもっとも小さいので、すぐに見分けることができます。ワタオウサギのような姿をしています。耳は頭より短く、 しっぽの裏側は茶色で、ワタオウサギの白と区別できます。

解説

オグロジャックラビットは体長46cm〜64cm、黄褐色の斑点が体の黒い部分にも白い部分にもあります。しっぽの上側には黒いしまがあります。耳は長く茶色で、耳の先っぽが黒くなっています。 カンジキウサギはオジロウサギと同じように、年2回毛がぬけ変わります。冬のはじめに耳の先端の黒を残して、全身雪色に変わります。足は長い毛のマットでおおわれ、やわらかな雪の上を走るのにちょうどいいのです。それで「カンジキ」の名がついたわけです。春の終わり頃、灰茶色の夏毛に入れ替わります。

ウサギ属には多くの天敵がいます。コヨーテ、ボブキャット、キツネ、ミミズク、タカ、ヘビなどが子ウサギ、大人のウサギ両方を餌食にします。

ウサギ属は基本的に夜行性です。昼の間は、草ややぶの茂みにじっとうずくまっています。長い耳をうしろに倒してじっとしているので、見つけるのは困難です。暑い夏の昼間に、小さな茂みやときに垣根の影で休んでいるのが見られます。びっくりすると、犬でも捉まえられないくらいのスピードで走り逃げます。走り初め第一歩のジャンプは、高く、遠くへ跳びます。

ウサギ属は厳格なベジタリアンで、非常に多種の草や潅木を食べます。農場地帯では、オグロジャックラビットは果樹の苗木や農産物を食べて被害を与えます。

カリフォルニアでは概算でも、毎年200万匹近いジャックラビットがハンターに狩猟されています。肉は大変すばらしい味ですが、個体数が増加すると、オグロジャックラビットの間で病気がまんえんしたり、野ウサギ病菌やその他の寄生虫を運んだりします。人間が傷のある手で触れたり、料理したりする場合も、充分注意が必要です。

*このページの原文は:http://www.desertusa.com/july96/du_rabbi.html

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