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Desert USAの許可を得て、翻訳、掲載しています。


ワタオウサギ
Desert Cottontail(Sylvilagus auduboni)
(ウサギ科ウサギ目)

ワタオウサギの写真

名前

ワタオウサギの名前は綿の玉のようなしっぽの形からきています。desert(沙漠)が付いているのは、分布地域がアメリカのサウスウエスト地方や平原地帯にわたっているからです。

ワタオウサギの生息地

沙漠ワタオウサギは多種にわたる地域に住んでいますが、その中には沙漠のような乾燥した草原地帯や潅木地帯、河辺、松・ビャクシンの森林なども含まれています。 オグロジャックラビットとほぼ同じ地域に生息していると思われます。

分布範囲

平原地帯をつらぬいて、モンタナ州東側から、 西テキサスまで南下し、中央ネバダと南カリフォルニアまで西へ西へと広がり、そこからさらにバハカリフォルニア、北メキシコまで南下して分布しています。

解説

大人のワタオウサギの毛皮は黄色味をおびた、なめし革色と灰色の中間の明るい色をしています。お腹は白っぽい色です。 のどのところが明るい茶色になっているものもあります。しっぽは丸く、綿の玉のようですが、色は上側は濃い色で、下だけが白です。 体長は30〜40cmくらい、耳の長さは7〜10cmくらい。体重は0.9〜1.4kgくらいです。メスの方がオスより大きいのが普通です。

後ろ足が長く、平均7、8cmあります。小さな跳躍の足跡は数字の「7」に似ています。それはまず後ろ足をついて、それから前足をつくからです。

足跡の写真

ワタオウサギは母親が草と自分のお腹の毛を引き抜いてつくった巣の中で生まれます。巣はくぼ地にあり、アナグマやブレーリードッグの巣跡や茂みの下につくられます。

行動時間は朝早くと、午後の遅い時間と夜ですが、どんな時間にも目にすることがあります。昼の間は、大きなやぶ木の影か、ほら穴や茂みの中で休んでいるようです。 夏の暑く乾燥した時期の日中は、水分とエネルギーを消費しないようにしています。

ワタオウサギは草食動物で、草や潅木など幅広く食べます。また自分のふんを食べます。それは草を一度に消化するのが難しいためです。食後の最初の丸ふんが、消化過程で栄養分として追加されます。第ニふんになると、固くて繊維ばかりの栄養分の少ないものになっています。

危険を感じると、ワタオウサギは時速30km以上でジグザク走って、肉食動物から逃げます。イタチのような小さな肉食動物に追いつめられたときは、敵に体当たりして強力な後ろ足で蹴りを入れて逃げることもあります。また、じっとうずくまり、まわりに溶け込んで危機を逃れることもあります。

オーバーヒートを避けるため、沙漠ワタオウサギは夜間の活動性が高くなっています。明るい毛色は太陽熱を最小限にするため。大きな耳は、皮膚のすぐ下に血管があって、からだの熱を放射することができるようになっています。

*このページの原文は:http://www.desertusa.com/mag00/apr/papr/rabbit.html

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