参照:ゲットーの定義


ゲットーの定義

1: ゲットーの語源は13世紀のヴェニスが発祥のイタリア語の石切り場の大きな穴という意味で、ローマの教会がキリスト教徒から区別するためにそこにユダヤ人を集めて住まわしたことからゲットー=ユダヤ人住居地となりました。中世ヨーロッパにおけるユダヤ人居住地という意味でのゲットー。都市によっては壁に囲まれたものもある。

2: 第二次世界大戦時においてドイツ軍によって強制的に集められたユダヤ人がどの収容所に輸送されるかが決まるまでの借りの居住区のこと。有名なものでは1943年にドイツ軍によって破壊されたポーランドのワルシャワゲットーがある。ワルシャワゲットーは中世にユダヤ人の居住地だったがその後ユダヤ人はゲットー以外に住む事を許された。そして第二次世界大戦時のドイツ軍によって再びユダヤ人を集めた居住地区となった。

3: 日本語でのおもに使われる第二次世界大戦時のドイツ軍によるユダヤ人強制(または絶滅)収容所と言う意味でのゲットー。英語ではおもに Concentration Campという。


●Concentration Capmの定義
強制収容所と絶滅(または撲滅)収容所の二つに分かれる。

1: 強制収容所は囚人を収容し、死に至るまで労働させることを目的とされた。ドイツで最初に設置されたのはミュンヘン近郊のダッハウ強制収容所。

ダッハウ強制収容所は終戦近くになりガス室を設けられたが一度として使われる事なく終戦を迎えた。

強制収容所での収容者ははおもに政治犯、犯罪者、キリスト教神父、など、ヒトラーのイデオロギーとは異なった、社会に影響を与えそうな人達が収容されていた。ここに送られたユダヤ人たちは収容所で必要とされていた職業を持つ者、つまり医者であったり、針仕事ができたり、何らかの手に職があった人達だったが、それでも彼らのドイツ軍における最終目的は抹殺される事であった。

2: 絶滅収容所ははじめから抹殺を目的とした機能の収容所とされた。ほとんどの絶滅収容所はヨーロッパ内で反ユダヤ主義の最も強かったポーランド国内に設置された。

その中でも最も大規模で有名なのはアウシュヴィッツ絶滅収容所である。絶滅収容所での収容者はおもにドイツ人の純血を乱すと見なされた人種であるジプシー、精神病者、同性愛者、外国人、ユダヤ人、そして労働不可者(病人、子供、老人)など。

テキスト:大桑千花

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