中欧の街、ウイーンは、ハンガリーからチェコに行く際の
通過ポイントとしか考えていなくて、滞在期間も3日間しかとっておらず、
着いてみるまで、それほど期待を持っていなかった。

けれど、ウィーンの街を歩いていると、なんだかとても落ち着いた。
そして、不思議と懐かしい感じがした。
自分の小学生時代を思い出すのだ。
どうしてなんだろうと考えたところ、いくつか理由が思いあたった。

ひとつは、自分が小学生の頃、ピアノを習っていて、
毎日ピアノの練習をしたり、
何人もの音楽家の伝記を読んだり、
時々クラシックのコンサートに連れられて行ったりしていたのだけれど、
当時読んだり聞いたりしながら頭に浮かべていた
ヨーロッパのイメージや歴史などが、ウイーンの風景と同調したということ。

もうひとつは、小学生の頃、映画「サウンドオブミュージック」が好きで
何度も繰り返し見た風景が刷り込まれていること。
そして、シェーブルン宮殿の庭を歩いていた時には、
目の前に広がっている景色が、小学生の頃読んだ、ベルばらや、
ヨーロッパを舞台にした、少女マンガに描かれた風景そのものだということに気付いた。
(つづきを読む)

25. 初めてなのに懐かしい街〜ウィーン(オーストリア)