食後は、家の屋上に上がった。
サマータイムのシーズンだったので、まだ空がほんのり明るく、ちょうど日暮れ時。
ロンダで買いこんできたお酒やおつまみを広げ、のんびりと話していると、あまりに自然で、
久しぶりに、札幌で友達と飲んでいるかのような気楽さを感じた。
けれど、あたりを見渡すと、切り立った山並に囲まれた、白い村にいることを思い出す。
ソンは、ドラえもんののび太をふっくらさせたようなルックスで、喋り方のテンションは低く、
一見、ぼおっとしているようにも見える。
けれど、世界一周旅行の経験もあり、学校の先生にもなり、タンザニアのザンジバルで暮らしたり、
アルゼンチンで彼女とタンゴを習ったりして、今はリビアの会社で働いているという。
私よりも年下なのに、余りに経験豊富で、頭脳明晰。話題もつきない上、話上手。


日が落ちる頃、ボッツがやってきて、照明を消し、かわりにキャンドルを灯してくれた。
空に見える星の数が増える。
ソンとはすっかり仲良くなって、夜遅くまで夜空の下、話し込んだ。
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10. 小さな白い村で〜カルタヒマ(スペイン) 前編