同じものを見たり、同じ体験をしても、BGMが違うと随分違った印象になる。
キューバだって、サルサではない音楽が流れていたら、もっと痛々しい印象だったかもしれないし、
ジャマイカで演歌のような湿度高めな音楽が流れていたら、人々の身のこなしもかわってきていただろう。
そのことを実感してから、日常生活でも、何か違和感を感じたり、気持ちが晴れない時、実際に聴く音楽はもちろん、
脳内で流れる音楽も意識してみるようになった。
買ってもらった、ラムとクリームの入った強いお酒をおかわりしながら、
甘かったりしゃがれてたりする歌声に合わせて揺れていたら、
歌詞はわからないけれど、ビーチの美しさも、小さな闘いが繰り広げられているかもしれないゲットーも、
通りを歩く人々のたくましい生活も、山奥の畑にいたドレッドのラスタマン達も、
すべて音楽の中に含まれているのが伝わってきた。
そしてそれらの美しいものや深刻なものをミックスして、ジャマイカンミュージックの魔法をかけると、不思議なことに、
暗い小屋でも、殺伐としたストリートでも、ただただロマンチックな世界が生まれるんだなあとぼんやり思った。
18. ロマンチックをつくるもの〜モンテゴベイ(ジャマイカ)