食後、まわりの席を見まわすと、ひとりのおばちゃんが上をむいて、口をぽっかり空けたまま、ぐうぐう眠っていた。
そこに、くすくす笑いながら近寄ってくる食べ物屋の店員達。
何をするのかなと思って見ていると、一人の店員がはちみつのチューブを取り出し、おばちゃんの口に思いっきり絞り始めた。
それでもびくともせず眠り続けるおばちゃん。
そこにいる人達と一緒になって、いっぱい笑った。

また、タクシーで帰る途中、運転手が「見てみろ」と指差す方を見てみると、家の前に座る警備員・・・と思ったら等身大の警備員の人形。
「why?」と聞くと、「security!」と言って笑う。

あかるい日差しによく似合う、のどかでかわいい人たち。
これらは極めて多面的なジャマイカの風景のひとかけらにすぎないけれど、初日にそういうものに出会えたのは幸せだったなと思う。

16. その国を好きになる予感〜キングストン(ジャマイカ)