しまうまを離れたところから狙うライオン。葉っぱを食べ続けるキリン達。木の上の豹やカバの群れ。まだまだたくさんの動物の姿を見た。
こんな動物達が野生で暮らすアフリカってすごい土地だと思わずにはいられなかった。

サファリの中だけではなく、例えばゴミ箱を漁りに、わたしの肩くらいの身長の巨大鳥がのしのし歩いてやってきたり(日本ならせいぜいカラスだろう)、ホテルの庭には体半分が青で半分が赤い謎のトカゲがいたり、車の下に一抱えくらいある大きなモルモットのような生き物が隠れていたり、なんというか、スケールが違う。

動物だけでなく、植物にも、わたしはとても心惹かれた。
大きくて斬新なデザインの、まるでオブジェのような存在感の植物があちこちに生えていた。
下半分は木、上半分はサボテンのような不思議な植物が赤やピンクの花を咲かせていたり、ソーセージのような実を
鈴なりにぶら下げている木だとか。
自然って本当に奇抜だなあと感心してしまった。

行ってみるまで、アフリカの風景や人に対して、漠然と、素朴さや、原始的なイメージを想像していて、実際そういう一面はあったのだけれど、同時に、驚くほど洗練されて、現代アートが目指す先のような印象も持った。
空間と動植物のバランスも、まるで計算されているかのように感じたし、夕方ショッキングピンクの夕日が沈む真ん中に、木の下に佇む象の親子のシルエットが浮かんでいるのを見ていると、舞台を眺めているような感覚に陥った。
自分の中で、自然に対しての新しいイメージが更新された感じがした。 
 (つづきを読む)

6. 恋をした国〜セレンゲティ(タンザニア)後編