翌日は、クレーターの中にできたサファリを探索し、そこでは動植物以上に、地形そのもののダイナミックさに感動した。
青みがかった山にかこまれた巨大クレーター。干上がった湖の塩分が彼方に真っ白なラインを引いていた。
そこから、また数時間のドライブをして、空港に送ってもらうことに。
草原の中に、時々マサイ族のような姿が見える。動物と同じくらいちらほらしか出会わない。
茶色い風景の中、わたしには決して着こなせない色の服を着た人達が佇んでいる。
日本にいたら、みんな振り向いてしまうだろうけれど、ここでは、動物と同じくらいにさりげない。
ユニークな植物も車窓から通りすぎていく。
それを眺めていたら、車が進むにつれ、なんだか胸が苦しくなってきた。
なんだろう、この気持ち?旅を始めてから初めての感じだ。胸がきゅんとする。
ああそっか、これは恋だ、と気付いた。
どうやらタンザニアに恋してしまったらしい。
手の届かない高嶺の花に片想いの気分。
こんなに、キュートでセクシーでユーモラスな、味わい深い土地から離れたくないなあ。
シンプルだけど刺激的で、それでいておおらかで。
そんな切ない気持ちを抱えつつ、途中で寄った土産物屋ではしっかり値切ってしまい、
女子のタフさを実感したのだけれど、
でも、その後行ったどこの国でもこんな気持にはならず、この旅一度きりの恋だったなあと
思い出したら、少ししみじみしてしまう。
6. 恋をした国〜セレンゲティ(タンザニア)後編