LINE:それでも花は咲き今年も蝶がきてくれた
ミヤギ ユカリ作・絵
LINE: Yet We Have Flowers and Butterflies Here
By Yukari Miyagi (text and illustration)

氷の国のアッシュコーヒー
ひらやま ますみ作・絵
Ash Coffee & The Little Iceage
By masumi hirayama (text and illustration)

二人のアーティストが考えた311と未来のわたしたち

| 葉っぱの坑夫 | Happa-no-Kofu |

はじめに:
大地震と原発事故が起きてから二年がたちました。直後は何が起きているのか、それがどれだけ大変なことなのかわからず、また自分が何にショックを受けているのかもはっきりしませんでした。
二年間が過ぎて、以前と同じではないにしても、また被害(あるいは加害)との距離にもよりますが、なにかしらの日常が戻りつつあります。そう見えます。
大地震と原発事故は、作家やアーティストの歩みにもストップをかけました。ミヤギユカリさんは、「世界がこうであるときに、自分が絵を描くことが何なのか、わからなくなった」と事故の後言っていました。ひらやまますみさんは、「今回の地震や原発問題からあらわになった、私達の生活のあたりまえすぎて気づいていない大切な事を考えたい」と言って、自作の絵本を送ってくれました。
ミヤギさん、ひらやまさんに共通しているのは、このさき生きていくうえで、人間としてもアーティストとしても、このことを真剣に考えなければ実りはない、という思いだと思います。何を、どこまで考えて生きていくかが、そのまま作品にも投影されるということでしょう。
ここで紹介するミヤギユカリ、ひらやまますみ両氏の二作品は、あの大地震と原発事故を出発点に生まれたものです。事件を題材にしているのではありません。二人がそれぞれ作品を通して、自分の考えたこと(主として未来のこと)が表現されています。
わたし自身もふくめ、日本に住む人々が、まだあの事件をつかみきれていないように、この二作品もある意味未完成です。それは被害を受けた(そして加害者でもある)わたしたちが、思索と混迷の途上にあるからです。まだ答えがみつからないのです。
わたしたちは考えつづけなければなりません。そうでないと明日はやってこない。未来はない。考えなければいけないのは、地震や原発のこと以上に、人間が生きていく方法とか、どのような社会をつくったらいいのか、とか、もっと根本のことかもしれません。この二作品が読む人にとって、さらに、深く、考えることへのきっかけになったらとても嬉しいです。
2013年6月 葉っぱの坑夫・大黒和恵 
6月公開 | Published June 2013
8月公開 | Published August 2013



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