セリソーに群れでやってくるカンムリウズラは、水の路の常連の中でいちばんの幸せ者だ。朝の水飲みでは、まわりを何ひとつ気にする必要がない。その時間、巣穴族やその他の外敵はみな、眠りにつく真っ最中。ウズラの大群は独特のやわらかな動作でふわりと、あっちの路こっちの路に舞い降り、元気にさえずり、押し合いへし合いしている。浅瀬にバシャバシャ飛び込んで水をはね散らしたかと思うと、上品そうなそぶりで水を飲み、美しい羽毛についた水を振り払い、身繕いしてすっかりきれいになって、満足げな声をたてながら薮の中にまた吸い込まれていく。

 ウズラのあとで、スズメと地面に住む鳥たちがいっせいにやってきて、パシャパシャと大騒ぎで水浴びする。いっぽうタカたちは昼の最中、燃える暑さに喘ぎながら、羽を降ろして陣地で休戦中だ。ある夏のこと、下の谷から一羽のミチバシリがちらちらと様子を伺いながらやって来たかと思うと、スズメたちの水浴びを見つけて苛立ちを見せた。ミチバシリの沐浴は、チャパラルと呼ばれる灌木の茂みのところで、きれいな恵みの砂を浴びて行なわれた。少しでもスズメたちの水しぶきがかかろうものなら、つややかなとさかを後ろに倒し、輝く尻尾をからだの高さまで降ろしてテラテラと光る毒蛇のように見せかけ、鋭く悪態をついてスズメたちに脅しをかけ、襲うふりをする。それから突然、からだを右に左に振りながら、見くだしたようなそぶりで谷間を降りていき、一日二日たってから、まだそこにお馬鹿さんたちがたむろしているかどうかを確かめるためだけに戻ってくる。

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