さあ、水の路にいま一度戻ってみよう。コヨーテは午後も遅いセリソーで、浅い巣穴から野うさぎを追いたてながらうろついている。その上をタカが空を切ってやって来て、宙にぶらさがる。それは本能の成せる業ではなく、過去の経験から、小動物が種集めをして水の路へと向かおうとしているのを知っているからだ。ウサギたちが口火をきって、軽々とした大きな跳躍で路を走っていく。コヨーテがいつなんどき襲ってくるかもしれないので、片目片耳で丘の方を見やりながら。ウサギ族はなんとも愚かな連中だ。仲間うちでやる以外に戦うことをせず、手足は歩くためにしか使わない。そしてひょっこり考えなしに姿を現して、肉食獣にその身を捧げてしまう。跳躍は、地面へのバネを利用しているように見えるが、そのせいで走りが乱れることはなく、泉へと一直線に跳んでいく。ウサギたちを誘うのはクレソンの若草、それと仲間うちの楽しい交流の時間。ウサギは水をあまり飲まないので、水の流れのある場所でも、むしろ草がまとう湿り気の方を好んでいるように見えるし、雨の後には、腰をのばして、セージの若草の頭からきれいなしずくをすすっているのを見かける。もちろん水は必要だ。わたしの家の前の小さな流れにも、朝に夕にとよく姿を見せる。ローン・ツリー・スプリング(一本樹の泉)でしばらく待っていれば、遅かれ早かれウサギたちはやってくる。でもここに来るときは水をもとめてというより、交尾もすませて、ほんのわずかな雲の影や風に揺れる葉っぱに怯えることはあっても、せいいっぱい楽しいことを編み出して遊びに興じている。泉では、黒岩のところからボブキャットが襲いかかったり、日が暮れれば、アカギツネが捕まえようと戻ってくる。日中は、タカとワシがウサギたちに影を落とし、コヨーテはいつでも、どんな季節でも、監視の目をゆるめない。