傾斜角度のあるところでは、松林の中を水の流れが滑り降り、開けた平地を横切るさらさらと流れるマスのいっぱいいる茶色い小川の中へと走り込む。その平地は、実は湖の窪地が埋められたところ。そこは花咲くリンドウの見せ場、青い、青い、目の青さの、高潔にして人好きのする花だ。この花が強壮効果をもっていると知っても驚くことはない。でもその草地が森林保護区の外にあって、ヒツジが来るところなら見つけるのは難しい。かわりに背の低い青白いリンドウ属のニューベリイを見つけるだろう。また松林の中、水路に沿って小さな緑の舌でなめつくす芝のカーペットの中に、白く、匂いなく、ほとんど茎のない高地のスミレが見られる。
標高二千七百メートルあたりで季節が夏なら、バラ色の羽をもつ「流れ星」と呼ばれるたくさんのドデカテオンが、芝地で氷のトンネルを縁どっているだろう。単弁の花は数センチの花びらを持つことがあり、細い茎の上で、十二の花が満開になった様子は、羽がひらひらしているようだ。
分厚い松の隊列が押し寄せている大きな湖を見つけようとするなら、この高さのあたり、夏の洪水ではしばしば水浸しとなり、避けようのない報いを受ける。このような谷間の湿った場所に花々の群れをかくまっているのは、シエラ峡谷の驚きである。