あともう二、三日を
手つかずのまま、色あせることなく
一つの染みもつけずに
乗り切る
生まれたときの春の日の鮮やかさのまま
奇跡のように、生き残る
普遍の命のリズムの中で
自然のありように背いてまでも
頑固なブーゲンビリア
今は六月
雨の季節が始まった
乾いてからからになった土が
水分を吸ってやわらかくなり
命が血管をとおって戻ってくる
植物は生への渇望で
外に押し出てくる。またすぐ
季節が変わることにも気づかないで
ブーゲンビリアがきれいに花開く
頑固な一房をのぞいて
枝にしっかりくっつき
風にも揺らされず
雷も恐れず
稲妻にも挑戦的
近づくモンスーンにも
この一房は恐れを抱かない
しっかりとピンクの房の中で
抱き合い
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