そこは、陶工が集落をつくり、それがカトマンドゥの街となり
大都会となって、最後には巨大にして
膨大な規模の街となった
でも庭では、いまも陶器が
そのかけらが
痕跡のひとつひとつが
呼吸している
その痕跡が
繰り返し繰り返し
思い起こさせるのは
塵から塵へと連綿と
始まりも、終わりも
ここに、火の中に
時がめぐるように回転する輪
カーラチャクラの中に
あるということ
わたしたちにできることは、植えて収穫し
酒を飲み
忘却すること、それがすべて
*ハンディガオンの村について
曲線アームの鉄のベンチの下に潜んでいる
古代の神々の力を借りて
それは大きなギャムポの壷
穀物が入れられてきた壷を
玄関のそばに置いて、土を入れ
いっぱいに盛り上がるまで土を入れ
ピンクの花が咲く植物をそこに待ち受ける
母がどこかの庭で見つけて、こっそり一枝を
泥棒ほどではないが鳥やハチよりはたくさん
革のバッグに入れて持ち帰り
庭の隅に植えていたのを
古代のギャムポの壷に入れて
そこで見事に花咲かせたい
夜更けに、わたしは
農夫たちが神々を
そして雨を
呼ぶ音楽を耳にする
さらに夜が更けると
うちの庭の壷という壷は
千の葉陰からたちあらわれる植物のはかない命に満たされる
花々は咲く、地面の下の根っこから
ただの草だと思っていた植物のところから
近所の黒々とした土のところから