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レットイットフロー、 アフリカの地に飲み水を流せ

Let it flow By 钟南 / Zhong Nan (China Daily)
China Daily: 2013-03-29 10:26
写真(Zhong Nan/China Daily):チャン・デリアンは中国ゲゾウバ・グループ、ガーナ支局の管理責任者である。

チャン・デリアンは機会を得て、ガーナの何百万人もの人々の生活を向上させるため、飲み水用の給水設備の建設プロジェクトを進めている。

アフリカでの建設プロジェクトは、期間も長く困難をともなうものが多い。ときに、多大な課題と山のような仕事に見舞われる。チャン・デリアンにとっても、ここで働くことは妻や娘と長い期間離れて暮らすことを意味している。しかし中国ゲゾウバ・グループ、ガーナ支局の管理責任者である39歳のチャンは、そんな困難にもかかわらず自分の仕事に満足しており、アフリカでこの先何年か働こうと考えている。

チャンは、ガーナの首都アクラとその周辺地域への給水設備を向上させるための、ガーナ政府によるクポン給水施設増設プロジェクトを担当している。

プロジェクトは2011年6月に始まり、2014年末までに完成させる計画である。これにより、一日につき4000万ガロンの水がこの地域に供給されることになる。

この仕事はチャンにとって、アフリカでの二つめの任務である。これ以前には、赤道ギニアで二年間、三つの給水プロジェクトで働いてきた。下水処理場、雨水利用システム、水の供給ネットワークといったもので、2009年から首都のマラボで仕事をした。

「これはわたしにとって、ガーナで最初のプロジェクトであると同時に、会社にとってもガーナでは初めての事業なんです。わたしたちはここ(ボルタ貯水池)から水をアクラに送っています。アクラまで73.5キロあります」とチャンは言う。

ガーナの統計局によると、国民の46%が都市部に住んでいる。都市部の一日の飲み水供給量は1億4200万ガロンであるのに対し、必要量は2億4200万ガロン、つまり1億ガロン不足していることになる。

ガーナの水源・工務・住宅省では、2015年までに都市部を中心に、人口の78%に飲み水を供給することを目標に定めている。

ガーナ政府との契約を成功させるまでに、ゲゾウバは5年の歳月を要した。契約を進めるために、中国の銀行から融資を受ける手伝いもした。

チャンはこう言う。「ガーナには豊かな水源があり、ダムや浄水場、貯水池、かんがいシステムといったものを建設することで、地域の人々に利益をもたらします。しかしながら、首都に住む人々の35%以上が、飲むのに適した水の供給が受けられていません。それは効率の悪い設備のせいなのです。充分な飲み水を供給することは、ガーナ政府にとって優先事項となっています」

古いパイプラインや浄水施設がもたらす衛生面で問題のある給水は、ガーナに蔓延するコレラや赤痢、その他の命にかかわる病気を引き起こす原因となる。

「ここで我々がやっているのは、ガーナの人々にきれいな水を供給することです。このプロジェクトの目標は、2015年までに、アクラ地域の300万人の水の利用の要求に応えることです」 こうチャンは説明する。

工事が2010年に始まったとき、最初にぶつかった問題は、会社が雇ったガーナ人従業員に、工事現場での安全確保を教えなければならないことでした、とチャン。工事用ヘルメットを頭にかぶるかわりに、椅子や器としてつかおうとしていたと言う。

チャンは二人の現場監督に、従業員がヘルメットをきちんとつかうこと、また安全指導を毎週月曜の午後にするよう指示した。もし中国人あるいはガーナ人の従業員が授業を欠席したら、その者は警告を受け、補習を受けるよう求められた。

湖北省宜昌市出身で、陝西省の西安交通大学の土木工学科を出たチャンは、ガーナでの仕事は、2003年から2006年まで働いたイランでの水力発電のプロジェクトよりずっと大変だと言う。

ただ困難はあるものの、美しい景色や人なつこい地域の人々のおかげで、チャンはここでの生活を楽しんでいる、と言う。

「この種の産業で働くには、長い期間にわたって様々な地域で暮らすことが求められます。多くの建設の現場は厳しい環境にあり、強い精神力が必要です。それなしには、ここでの仕事を成すことはできません」 妻と十代の娘に会うために、一年のうち二度、それぞれ一ヵ月ずつ、中国に戻るというチャン。

アクラの水は現在、1966年につくられた長さ54キロのパイプラインを通じて、クポン水処理場から供給されている。それでは首都で必要とされる水利用を満たすことは難しい状況だ。

新たな貯水池の建設に加えて、チャンのチームは、建築資材の供給や浄水施設、水のパイプライン、ポンプ場の建設や水の供給ルートの向上についても責任を負っている。

ボルタ貯水池近くの建設現場にある小さな会議室にすわり、チャンはこれは融資プロジェクトであって、援助プロジェクトではない、と言う。全予算は2億7300万ドルで、その内5%がガーナ政府から、残りが中国輸出入銀行からの融資だそうだ。

忙しい時期は、700人のガーナ人と120人の中国人従業員がクポンのプロジェクトで働いている。このプロジェクトで使用される建築資材はすべて、地元で調達される。会社が負担する賃金、宿泊施設、食料、その他の維持経費は、一ヵ月に270万ドルかかる。またプロジェクトのためにガーナに持ち込まれる、建築用の機械類は2200万ドル相当である。

「西側のメディアの中には、アフリカにある中国の会社は地元の人々と関係をもったり、手助けすることに興味がないと言うところもあるけれど、それは真実ではありません。地元社会に我々は具体的なことで貢献しているし、それは契約には含まれていないことです」 そうチャンは話す。

「人々がさらに高い技術を習得するのを助けるために、我々は630人のガーナ人従業員に多種にわたる建設事業のための訓練を施し、13人をリーダーとなる熟練従業員として昇格させ、アクラの本部には地元の商業大学卒業生を10人雇っています」

チャンの会社は三つの地元校とガーナ大学に対して、コンピューターやマルチメディア教育資材、本などの購入に当てる13万ドルを寄付し、パイプライン沿いの四つの村をつなぐ10キロに渡る道路を通している。

このプロジェクトが終わったら、チャンはさらにアフリカを旅する予定だ。西アフリカにはインフラのプロジェクトを導入する余地が多くあり、このアフリカの地のどこかの国で、ゲゾウバ・グループが新たなプロジェクトを見つけることを願っている、とチャンは結んだ。


オリジナルテキスト:Let it flow by 钟南 / Zhong Nan (China Daily) 
日本語訳:だいこくかずえ




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写真(Zhong Nan/China Daily):中国ゲゾウバ・グループ株式会社は、ガーナのクポン給水設備の増設プロジェクトを進めるため、浄水場を建設している。