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マリカはわたしの手をとった。無邪気にやさしく。わたしはマリカを見た。マリカは黒のドレスに身をつつみ、琥珀の目をして、優美で、繊細で、強さもあり、そういうすべてを一時にもっていた。こんなことを言うなんて、なんて陳腐なんだ。でも他に言いようがない、ほんとうのことなんだから。わたしとマリカは急な階段をのぼっていった。「ここです、どうぞ」 マリカは小さなアパートのドアを開けて言った。カビ臭さがわたしを襲った。簡易な折りたたみ式ベッドが部屋いっぱいに置かれていた。圧迫感に身をちぢめた。窓は開け放たれていた。「外の空気をもっと入れようとおもったんだけど、、、」 マリカは言いわけしてるみたいに言った。
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