次の日、もちろん、わたしはマリカに再び会った、そしてその次の日も、、、。わたしの滞在は終わりに近づいた。わたしはこれから、、、、わたしはいったい何をどうしたいと? 滞在を延ばすことを? もうこれっきり彼女と夜の2100時に会わないことを? 終止符を打つ(婉曲に言えば)ことを? それとも明るくさばさばとした調子で家族に「ほら、ねえマリカを紹介するよ。フランス語の学生でね、学費稼ぎにアルバイトで娼婦をやっているんだ。ここでぼくらといっしょに暮らすのはどうかな」とでも言って、そのあげく破たんするとか? いや、人間というものは弱いものだ、言われているとおり。そしてわたしはその法則から一歩も足を踏み外すことはないだろう。
わたしの出発の前日のこと。その夜、マリカは「先約済み」ではなかった、あるいはわたしに会うために都合をつけたのかもしれない。わたしはいつもの悪名高い広場に約束より早く着いた。夕時の気持ちよさを味わう気持ちは失せていた。娼婦たちは口裏を合わせたように、わたしに何の注意もはらわなかった。わたしの方でも、女たちを無視した。どの女も黒い服に身をつつみ、、、、無言であたりをふらふら歩きまわっていた。この妙な衣装はどこから来たものなのか。安物の香水のきつい匂いに胸を悪くしながら、気味のわるいバレエダンサーの群れ(えじきとなる者を捜しまわる、「死のダンス」とでも言いたいような)に囲まれて、わたしは同じ場所を行き来した。のどが乾いた。わたしの生徒が走って来た、手をいっぱいに広げて。わたしに会えてマリカは嬉しそうだった。わたしはマリカの手を取った。たぶん、少し長めに。
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