「ここのところ、奇妙で胸を射られるような夢を見るんだが……」 そうGは始めた。彼の好きなポール・ヴェルレーヌの詩* をほのめかしつつ。今でもかなりのフランス文学通であることが察せられた。「……それが、強迫観念みたいな感じで、夢がぼくを内に閉じこめてしまう。いや、ぼく自身が自分を夢に閉じこめるのかもしれない。この夢はきみに深く関係している、それは確かだ。きみは巻き込まれているんだよ……」
ほらな、始まった。攻撃開始だ。ぼくはこれを待っていた。Gがいつまでも形勢不利な状態で、下手のまま踏みつけにされているわけがない。Gはだいぶ余裕が出てきたとみえ、部屋のなかを歩きまわっていた。まだいくぶんぎこちなさは残っているものの、昔の自信をとりもどしてしゃべっていた。Gはかつてのぼくが知る男として目の前にいた。彼の磁力が復活していた。非常にもの静かながら的を得た話しぶりは圧倒的な知性を感じさせる彼の独壇場、そういった磁力である。
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