槍を手に、わたしは、背筋をのばしゆったりと威厳をもって壁画の前を歩いた。かぶとが少しきつかったけれど、だいじょうぶ。学校の同僚や生徒たちのことを思って少し心が揺れた。こんな格好をしているところを見せたらいったいどうなるか。わたしは立ちどまって男の前で槍を持ち上げてみせた。男は食い入るようにわたしを見ていた。女神は蘇った。アンリにとってだが。
 アンリは目をしきりにしばたたかせていた。
 「ディアナにいくのはどうでしょう」
 わたしはためらった。ムスカテルの魔法のせい? 抗しがたい誘惑に負けて、ついに承諾。
「わかった。ディアナね」


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