「ギリシアの部屋」に入ると、わたしの心臓は早鐘のように鳴った。サモス・マスカテルの瓶とグラス二つが二人を待っていた。男はグラスいっぱいにワインを注いだ。
「この1杯をギリシアに!」
相変わらず早鐘打つわたしの心臓。ほわっとからだが熱くなった。
「アンリと言います」
男は一番長いチュニックをわたしに渡した。恥ずかしそうにして、わたしを見るのを避けていた。そして隣のドアを開けた。
「ここがその、、、あなたの、その部屋でして、、」
部屋に入ってドアを閉めた。チュニックはすべすべして、やわらかだった。夜着のようだった。ゆっくりと服を脱いだ。禁じられている遊びをしようとしているときみたいに、胸がどきどきした。
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