<中継映像 3>

田中氏の映像へのコメントで印象的だったものを、グループリーグ最終戦のナイジェリア、韓国戦から引用してみたい(元サイト)。「ダーバンスタジアムのホスト映像は、この日も安定している。フェアで、客観的で、ピッチの緊張感をLIVEで伝えようとしている。来るべきフィナーレに向けて淡々と、いいディレクティングだ。」「49分 韓国FK、パクジュヨンが直接ゴールを決めて2-1。ひざまずいて神に感謝するパクとナイジェリア選手の痛恨。スイッチングとカットの長さに迷いがない。」「残り3分。ボールデッドで、ナイジェリアの選手のアップ連続8カット。これはすごい。世界の視聴者の潜在意識がナイジェリア選手に向けられる。」(録画を見直したら本当にすごく迫力ある映像だった。)「93分、残り時間は殆どない。運命の時が迫る。スローインでもアップにいかず、画面フレームから審判を切らない。世界中の視聴者がフレームの中の審判をみている。」「ひざまずき肩を抱き合い神に祈る韓国選手の輪と、その横で両手をつき動くことができないナイジェリア選手が1枚のフレームにしっかり収まる。ベストショットが世界に配信された。」 この試合はアメリカのスポーツウェブサイトBleacher Reportの「The 10 Best Games of the 2010 World Cup」の4位に選ばれている。試合そのものが白熱したスリリングなものであったことはもちろんだが、それを的確に伝える映像の力も少しは影響したのかもしれない、と思う。選者も同じ国際映像を見てベストゲームを選んでいるわけだから。

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