<パク・チソン>

朴智星(パク・チソン)選手は、ヨーロッパで最も目覚ましい活躍をしたアジア人サッカー選手と言ってもいいかもしれない。謙虚で大人しい外観とイメージを持つが、非常に運の強い選手で、クラブチーム、韓国代表の両方でそのチーム最良の時代を経験してきた。2002年のW杯ではフース・ヒディンク監督率いる代表チームで、最年少の21歳ながら全試合に主力として出場し、ポルトガル戦で勝ち越しゴールを上げるなど活躍、チームは過去最高のベスト4の成績を残した。W杯後、オランダ1部リーグのPSVに移籍し3シーズンを過ごし、そこでも2度のリーグ優勝と世界最高レベルと言われるチャンピオンズリーグ(CL)出場を経験している。PSVでは準決勝の舞台を経験。そのときの活躍がイングランドの名門ビッグクラブ、マンチェスター・ユナイテッドの目にとまり移籍、2005年シーズンから今日までほぼ安定して主力の一人として活躍している。CLの出場回数はアジア人初の決勝戦出場も含め、今シーズンまでで総計40試合、これは日本人最高の中村俊輔(17回)と比べても多い。実力あるチームで長年活躍してきたことから生まれた実績だろう。今年29歳のパクは、南アフリカ大会の前に、2011年のアジアカップをもって代表を引退することを表明していた。しかし大会後のインタビューでは、今のコンディションが維持できれば14年のW杯出場の可能性もある、と答えている。代表引退を保留したパク、2014年には33歳で大会を迎える。ここから4年間のパクのプレイに、さらには選手生活をどのような形で終えようとするかにも注目していきたい。

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