<ベストマッチ 2>

元日本代表監督オシム氏は新聞のスポーツ欄コラムでこう書いていた。「カメルーン戦の(日本の)ゴールはがんばったことへのご褒美」と。しかし第三者が見ると「質が低く、どちらもミスの多かったスロベニア、アルジェリア戦のようなひどい試合だった」とも言っている。確かにいくつもの試合を見てくると、カメルーン、日本戦はサッカーの楽しみを味わえるようなものではなかった。身びいきの、勝った負けたに一喜一憂するだけではない見方を、観客の方もするべきなのだろう。そうでないとその国のサッカーは良くならない。グループリーグのアルゼンチン、韓国戦について日誌で「韓国はあまりいいところのない試合ぶり」とわたしは書いたが、オシム氏はこう書いていた。「後半は見応えがあり、今大会ベストゲームのひとつと言ってもいい」と。4−1で韓国が大敗したゲームである。勝った負けた以外の見どころやゲームの価値を見つけていくこと、それがサッカー観戦をもっと楽しくする。そういう目で、アルゼンチン、韓国戦の後半をもう一度見直してみたい。

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