<ベストチーム>

今大会で発見したチームは、自分にとってドイツとウルグアイである。どちらのチームについても大会前にはほとんど知識がなかった。選手の名前も知らずに最初のうちは見ていたわけだが、大会が進行する中でだんだん印象づけられていった。ドイツチームの良さは、パス&ランによるスピーディな攻撃。ゴール前に向かって数人の選手が一斉にトップスピードで走り込む様子を、高いところから俯瞰で捉えた映像は圧巻だった。代表経験の少ない20、21歳という若手選手たちがクリーエティブなプレイで試合にアクセントをつけ、人々を魅了していた。ウルグアイは人口330万人の南米の小国ながらサッカーは盛んなのだろう、ボール扱いが巧くしぶといプレイをするチームだった。守備が強く、攻撃もフォルラン、スアレス両選手のコンビによる抜け目ないゴールへの狙いが光っていた。ニュージーランドは不思議なチームだった。勝ち点1(引き分けを一つ)を目標に28年ぶりにやってきたW杯本大会で、イタリア、スロバキア、パラグアイを相手に負けなしの3引き分けでグループリーグを敗退し、勝ち点3をもって帰国した。メキシコはスピーディで攻撃的な見ていて面白いチームだった。前線のジオバニ、エルナンデスの21、22歳の若手FWが大活躍だった。ガーナも躍動的なプレイをする素晴らしいチーム。守備の巧さやプレイ全体の堅実さもあり、レベルの高いチームだと感じさせられた。アフリカの星としていいパフォーマンスを存分に見せ、アフリカがホームの大会であることをアピールしていた。

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