<ベストプレイヤー>

今大会のベストプレイヤー(Golden Ball)には、チームは4位ながら得点王の一人でもあったウルグアイのディエゴ・フォルラン選手が選ばれた。フォルランのプレイはどの試合でも強い印象を残した。ここというところで得点を上げるだけでなく、攻撃の起点となり若手のスアレスとのコンビで好機をたくさん作ってゴールに結びつけた。相棒のスアレスもいい選手だと思った。ガーナ戦でのハンド(ガーナのゴールを手で止めてしまった)の反則には非難が集まったようだが、ルール通り一発退場を受け準決勝には出場できなかった。ドイツには20、21歳という若手の魅力ある選手が何人もいた。エジルはトルコ移民の2世で、前線への素晴らしい走り出しやゲームメークでチームの得点に貢献した。現在世界最高のプレイヤーと称されるアルゼンチンのメッシは、ちょこちょこと細かいステップで素早くゴールに迫る独特のプレイはときどき見せていたものの、無得点に終わり強い印象は残せなかった。メッシ以外にもスーパースターと言われ注目を集めたプレイヤーたちが、この大会ではあまり活躍できなかった。イングランドのルーニー、コートジボワールのドログバ、ポルトガルのC.ロナウド、スペインのトーレス、得点王を狙えたはずのストライカーたちが冴えなかった。とはいえ、スターでなくとも、アメリカのドノバン、オーストラリアのケイヒル、ガーナのギャンなど歓喜のゴールで人々を魅了したフットボーラーたちはたくさんいた。

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