<選手生命>

どんなスポーツであれ、アスリートには選手生命がある。一般にレベルの高い選手ほど選手生命は長い。比較的若いときにデビューし、最盛期を長く保つことのできる選手が一流選手には多い。テニスのロジャー・フェデラーは今年プロデビュー12年目の28歳、22歳でウィンブルドン初優勝して以来、不動の世界トップの一角を担っている。女子ではセリーナ・ウィリアムズが、1999年全米オープンを制覇して以来、世界のトップを走り続け、今年のウィンブルドンも制覇している。野球のイチローは日本で10年、アメリカでも今年10年目の活躍となり、秋には37歳になる。サッカーでは20〜30歳の10年間くらいが一般に活躍可能な年齢と見られるが、その10年をトップレベルで過ごせる選手は必ずしも多くない。今回の大会で印象的だったのは、ドイツのクローゼ選手。1978年生まれの32歳のFWは、新生ドイツの若いチームの中でひときわ輝きを放っていた。2002年、2006年、2010年と3回のワールドカップに主軸として出場し、どの大会でも多くの得点をして結果を出している。日本では中田英寿元選手が1998年、2002年、2006年と3回のW杯に主軸で出場した。今回の日本代表メンバーの主軸には、残念ながら3大会出場選手はいなかった。韓国ではパク・チソン選手が2002年、2006年、2010年と出場し、3大会連続ゴールを上げている他、イ・ヨンピョ選手も2002年から3大会連続出場している。日本代表にも息の長い選手が出てくることがチームの質を上げる上で大切になってくると思われる。

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