<日本代表 2>

日本代表が自分の好きなチームであるかどうか、応援したいチームかどうかの決め手は、自分が日本人であることだけでは足りない。日本チームを取り巻く環境、サポーターや一般観衆、マスメディアとの関係、そういったものすべての総体が日本代表のサッカーを表している。南アフリカに日本チームが発つ直前に、国立競技場特設会場で行なわれた「壮行会」をテレビ中継していたが、これが日本のサッカーの最上の部分なのか?、とがっかりさせられた。形ばかり整えたつまらないイベントだった。大きなハリボテのSAMURAI像(坂本龍馬?)を特設ステージに飾り、そのステージの作りも予算がかけられなかった学校行事のようで、しかも真っ昼間、そこに選手がたちが名前を呼ばれて登場し、厳しい直射日光が降りそそぐ中で「関係各位」「スポンサー様」などからの「お言葉を頂戴」し、ブルーの千羽鶴の贈呈があり、、、、サッカーというスポーツとは無縁の、全く違うリズムとトーンの式典だった。韓国では国内最終のテストマッチ、エクアドル戦の試合終了後に、サポーターたちを驚かす特別なイベントがあったと聞く。場内が暗転し、緑のピッチが巨大スクリーンに変わり、そこにこれまでの韓国代表の挑戦や今回のチームの戦歴の過程が映し出され、選手一人一人が紹介されて登場。主将のパク・チソン選手が「韓国というチームとして、ワールドカップを(一緒に)戦いましょう」とサポーターに呼びかけたという。サッカーの内容だけでなく、日本代表には真面目に考えた方がいいことがたくさんある。

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