日本時間15:00

ウルグアイのスアレス、フォルランの攻撃コンビがまた見られそうだ。ドイツもミュラーが出て来るだろうから、エジルやポドルスキーと組んで魅力的な攻めを見せてほしい。最後の試合だから攻め合って点を取り合って、という展開になってほしい。決勝戦でなくても、面白いプレイをするチーム同士の試合は見応えあるはず。そうあってほしい。

現地07.10 3位決定戦
20:30(11日3:30日本時間)    ドイツ 対 ウルグアイ 3−2 (ポート・エリザベス)

両チームとも試合を見るうちに魅了されていった一番手、二番手で、個人的にはベストカードの対戦と言ってもいい3位決定戦となった。一般に3位か4位かの争いはチームの戦歴としても、FIFAからの報奨金の額も違うとは言え、決勝や準決勝ほどの緊迫感はないと言われる。大事な試合、どうしても負けられない試合という思いが強すぎないことが、両チームの積極的なプレイを充分に披露する場となることが予想された。そしてその通りの展開となった。ドイツは主将のラーム、主力のポドルスキーを風邪で、FWクローゼをケガで欠場しながらの試合。前半19分、シュバインシュタイガーがシュートしたボールをGKがはじき、それをゴール前に走り込んだミュラーがゴール(今大会5得点目)、ドイツが先制した。続く28分、中盤で倒れながら奪ったペレスのボールがスアレスに繋がり、それをカバーニが得点してウルグアイが同点に。互いによく攻め、守る進行で前半終了。後半、スアレスがゴール近くでボールを持つたびに大ブーイングが起こる中、アレバロからのパスをフォルランがダイレクトで捉えて足を振り抜くスーパーシュート(今大会5得点目)、2−1とする。がその5分後にゴアテングからのクロスを190cmのヤンゼンがヘッドでゴール。2−2と追いつく。両チームとも勝ち越し点を取るため攻め続け、ウルグアイもスアレスが再三見せ場をつくるが、試合終盤でCKからケディラがヘッドでボールを押し込みドイツが再びリード。ロスタイムに入ってウルグアイはスアレスのゴール前への走り込みでファウルをもらい、フォルランが最後のワンプレイとなるFKを蹴った。入れば延長戦というシーンだったが、ボールは惜しくもクロスバーに当たり、試合終了。最後まで目の離せない面白いゲームになった。

ウルグアイはベスト4に残ったスペイン、オランダ、ドイツと比べると、強豪国とは言えないチームかもしれず、優勝候補に上がることもなかった。でもこの大会を通じて、そのしぶといプレイぶりで世界中にその存在感をアピールをしていた。守備の堅いチームと言われながら、前線のスアレス、フォルランの攻撃陣はいつも素晴らしいプレイを見せてくれ、中でもフォルランは印象深いプレイヤーとして人々の心に刻まれたはず。2002年では予選敗退、2006年は本大会グループリーグ敗退という成績のウルグアイが、南アフリカでは他の南米4カ国が決勝トーナメントで次々に敗退する中、唯一の非ヨーロッパ国となって3位決定戦を戦ったことは輝かしいこと。未来のサッカーの世界地図に可能性を与えている。

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