日本時間15:30

アルゼンチン対ドイツは楽しみな試合だ。今大会の中でドイツチームのプレイは、どこのチームより新しく爽快な感性を感じて一番の発見だった。相手がアルゼンチンになっても、同じ戦い方をしてくるだろう。アルゼンチンの巧みなパス回しやメッシやテベスの個人技に対して、野生動物のようなロングラン、スピーディな連係プレイでゴール前に走り込んで得点してほしい。パラグアイ対スペインは、やはりスペインが優勢だろう。ポルトガル戦後半のようなプレイができればいいと思うが、パラグアイの守備はスペインに対してどれくらい力を示せるか。スペインに対してどのように得点をするか。そのあたりを見てみたい。


16.00(23:00日本時間)     アルゼンチン 対 ドイツ 0−4 (ケープタウン)

ドイツの大勝となったこの試合、世界中のアルゼンチンファンはどう感じただろうか。マラドーナの会見も聞いてみたい。試合中カメラが捉えた彼の表情はずっと曇りがちだった。その表情が表すように、この試合はドイツが多くの時間帯を支配していた。試合開始直後、ドイツはFKのボールをミュラーが頭で軽く合わせて衝撃の先制点。早い時間の得点ではあったが、ドイツの優勢を予感させた。前半はドイツがここまでの試合で見せてきた素晴らしい速攻と連係プレイでアルゼンチン・ゴールに迫るが、追加点はなく1−0のまま終わる。後半アルゼンチンが積極的な攻めを見せ、決定的な場面もあったが得点にはならない。攻められているドイツはこの時間帯をしっかり耐えつつときどきカウンター攻撃。そしてやってきたチャンスをものにして70分前後に二つの追加点、3−0となって勝負は決まったかに見えた。さらに終了間際、エジルのクロスからクローゼがこの試合2点目を決め、アルゼンチンのW杯は終わった。クローゼの得点パフォーマンスの宙返りは、若いときのように高さも勢いもなかったが、大事な試合で確実に得点を決めてくるプレイぶりはさすがだった。20、21歳の国内リーグの若い選手たちの躍進がプレイに活力をもたらしているドイツに対して、いま世界一のプレイヤーと言われるメッシやテベス、イグアインなどアルゼンチン自慢の攻撃陣は輝きを見せることができなかった。


20:30(4日3:30日本時間)    パラグアイ 対 スペイン 0−1 (ヨハネスブルグ/エリスパーク)

パラグアイの固い守備を崩すことがなかなかできず、試合の最終盤でやっと1点を入れスペインは勝つことができた。スペインは人数をかけた得意のパス回しでゴール近くにまでは何度も迫るが、決定機には至らない。パラグアイはカウンター狙いの攻撃でときどきチャンスをつくる。スペインはエースのトーレスが好機をつくれず、後半セスクと交替。後半なかば頃、CKの場面でのファウルからパラグアイはPKを得るがGKにとめられ絶好機を逃す。その直後のカウンター攻撃でファウルを受けたスペインもPKを得る。シャビアロンソが一度は決めるが他の選手の違反からやり直しとなり、二度目はGKにとめられる。バルデスに替えてサンタクルスを入れたパラグアイは、前線で張ってチャンスを狙うが得点に至らない。83分、イニエスタが持ち込んだボールをペドロがシュート、ポストに当たってしまうが跳ね返ったボールがビジャの足もとに転がり、それをシュートして勝ち越し点を入れる。ボールを確実にゴールに押し込むスペインの技術はさすが。ビジャはこの得点で5得点となり、今大会の得点ランクトップに立つ。残り時間に両チームは一回ずつ決定機をつくるが、どちらもGKがとめて試合終了。より高度な攻めの形とシュート技術を持つスペインが、チャンスをものにして勝ったという感じの試合だった。

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大会21日目 2010.07.03(Fri.)

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