日本時間12:30

勝ち上がった16チームを見るとかなりの意外性があり、ここからはどこが勝ち残っても不思議はないように見えてくる。強豪ぞろいの欧州の国々のコンディションがどういう理由からか本調子でなく、まだまだ番狂わせが待っているのかもしれない。今回のイングランドは優勝候補の一角にあったが、一勝二分けで得点もたった2点。ドイツも初戦こそ大勝したが第2戦で負けて、一時は自信が揺らいだように見えた。ファイナルでもおかしくないこの対戦で、どちらが生き残るのか。ここまでアルゼンチンは安定した強さを見せてきた。対するメキシコは前線が元気で若さはじける魅力あるチーム。アルゼンチンを慌てさせることはできるのか。


16.00(23:00日本時間)      ドイツ(D組1位) 対 イングランド(C組2位) 4−1 (ブルーム・フォンテーン)

ここまでの得点差がつくのは意外だった。ドイツは終始素晴らしいパフォーマンスを見せ、攻撃シーンではピッチを数人の選手がフルスピードで駆け抜けながらパス交換してゴールに迫り、獲物を追う野生動物のようだった。イングランドはそれを追いかけるあまり足の速くない人間に見えた。ミュラー、エジルを始めとするドイツの前線の若いプレイヤーは、ゴールに対して的確でクリエイティブに見え、イングランドは定型的で少し古びて見えた。あれだけ期待されたルーニー(英・マンチェスターU)は大会中パフォーマンスを見せることができず、クラブチームでの活躍と代表との違いを感じさせられた。反対にドイツのベテランFWクローゼは、所属クラブでは活躍の場が減っているとのことだが、W杯ではこの日も貴重な1点目を上げ活躍している。全体としてドイツのプレイはリズムとエネルギーに満ち、チームとしてよく機能している強さを感じた。光り輝く新しい空気感のようなものも感じた。両チームとも、自国リーグに所属する選手がほとんどだったのも特徴で、こういう結果を見ると、ドイツのリーグの質の高さにも気づかされる。


20:30(28日3:30日本時間)    アルゼンチン(B組1位) 対 メキシコ(A組2位) 3−1 (ヨハネスブルグ/サッカーシティ)

リーグ三戦では途中出場だったエルナンデスが先発メンバーに入り、ジオバニと共に前線で活躍するのが期待された。序盤メキシコがいい動きで試合を支配していたが、アルゼンチンがテベスのゴールで先制。メッシからのパスは完全なオフサイドだったが、副審が見逃した。繰り返しその場面の映像が流されたが、ジャッジは変わらなかった。メキシコ選手たちが審判に詰め寄るなどひと騒ぎあり、その後メキシコのゴール前でのパスミスからアルゼンチンが追加点を取る。後半ジオバニ、エルナンデスが攻め上がりペースをつかむが、テベスがミドルシュートで3点目を入れる。そこからまたアルゼンチンのペースになる。メキシコはエルナンデスが見せ場をつくり1点返したものの追いつかなかった。スピーディな連携によるメキシコの攻撃は素晴らしかったが、個人技や個人の打開力で得点をものにしたアルゼンチンにかなわなかった。これで準々決勝はアルゼンチンとドイツ。ここでもチームプレイと個人技の対戦になりそうだ。

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