日本時間18:30

この四試合でグループリーグは終了する。32カ国の中から16カ国が決まり、決勝トーナメントに進むことになる。第三節に入って、一日四試合を見るのは結構大変だった。追われるように見た。敗退が決まっている北朝鮮は、44年ぶりのW杯最後の試合で何を見せてくれるのか。対するコートジボワールも勝ち点1しかなく、得失点差も−2と、2位に入るには大量得点が必要だ。勝って勝ち点でポルトガルに並ぶことはできても、向こうはここまでで+7の得失点差。今日のブラジル戦にもよるが、不利な立場だ。調子の出ないスペインも今日は勝ちが必要。スイスがホンジュラスに勝つ可能性の方が、スペインがチリに勝つ可能性より高く見えてくる。大会前に多くの人が優勝候補の筆頭に上げたスペイン、そのプレイスタイルで今人気が高いスペインサッカー。いったい何が起きているのだろう。


16.00(23:00日本時間)      ポルトガル 対 ブラジル 0−0 グループG  (ダーバン)

グループリーグ通過を決めているブラジルと引き分けでもOKのポルトガル。前半はブラジルが鮮やかなボールまわしで試合を支配し、ポルトガルはやや守りの体勢。カウンターでのC.ロナウドのゴール前への走り込みもあったが、0−0で前半終了。後半はややポルトガルペースの試合運びで、ロナウドもいい攻め上がりを見せ決定的な見せ場もつくった。しかし双方にゴールなしの意外な結果に終わった。


16.00(23:00日本時間)      北朝鮮 対 コートジボワール 0−3 グループG (ネルスプロイト) 

北朝鮮は前半ボールの維持に苦労、早い時間帯にヤヤ・トゥレ(西・バルセロナ)のゴール、続いてドログバ(英・チェルシー)がクロスバーに当てたシュートからロマリク(西・セビージャ)がボールを押し込んで2点目獲得。大量得点狙いかと思われたが、後半は北朝鮮もときどきチャンスをつくって攻め上がり、ゴール前のチョン・テセの決定的な場面もあった。コートジボワールの追加点は1点に留まった。満席に近いムボンベラ・スタジアム(45000人収容)の冬空には、オレンジ色の満月が昇っていた。チョン・テセと同じ在日のアン・ヨンハッも、攻守にわたりいいプレイを見せていた。この2チームはこの試合を最後にW杯を敗退した。


20:30(26日3:30日本時間)    チリ 対 スペイン 1−2 グループH (プレトリア) 

メキシコ人のレフェリー。この日もカードが多くレッドカードを出す采配だった。チリはスタートから積極的に攻めチャンスを何度もつくるが、先制点はスペイン。ビジャ(西・バレンシア)が飛び出してきたGKのクリアしたボールをかなりの距離から走ってきて捉え、シュート。ボールはバウンドしながら無人のゴールに向かい吸い込まれた。さらにイニエスタ(西・バルセロナ)が1点追加。このときゴール前中央に走り込んだトーレス(英・リバプール)を止めようとしたチリの選手が、ペナルティエリア付近でこの日2枚目のイエローカードをもらい退場。11人対10人の試合になったが、後半すぐにチリは1点返す。他会場が0−0という情報でこのままで2チームとも勝ち上がれる可能性が高くなり、その後は双方あまり攻めのない退屈な試合になった。最後の10分はスペインがパスをまわしているだけだった。


20:30(26日3:30日本時間)    スイス 対 ホンジュラス 0−0 グループH (ブルーム・フォンテーン) 

スイスは初戦でスペインに勝って世界を驚かせた。グループリーグ進出に大きな一歩とスイス国民は思っただろうが、第二戦目で攻撃的MFベラミ(英・ウェストハム)をレッドカードで失い、チリに負けた。スイスはこの試合に勝って駒を進めたかったが、決定的な攻めやシュートが決められず得点できなかった。ホンジュラスも攻めてはいたが、GKのセーブやオフサイド判定で決定機をものにできなかった。スイスはスペイン戦ではいいチームのように見えたが、この試合では攻撃のいい形や得点の予感があまり見えず、もうひとつ魅力的ではなかった。結局スペインが1位、チリが2位でグループHを通り抜けた。

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