日本時間15:00

パラグアイが頭ひとつ抜けているグループF。老練なはずのイタリアはサッカー新興国のニュージーランドと並んで2位。ニュージーランドがパラグアイとどんな試合をするかが楽しみ。すでに敗退が決まっているカメルーンはオランダ相手に、W杯最後の舞台で何を見せようとするかは見どころになる。日本は引き分け以上で先に進めるが、岡田監督は「引き分け狙いではなく、勝ちにいく」と言っているそう。勝ちにいくには得点が必要。第三戦ではどのグループも攻めるサッカーをして盛り上げている。日本がどんなパフォーマンスを見せてくれるか期待している。


16.00(23:00日本時間)      パラグアイ 対 ニュージーランド 0−0 グループF (ポロクワネ) 

パラグアイにとっては引き分けで先に進める試合だったせいか、あまり積極的な攻め上がりがなく、またニュージーランドの方は勝たなければグループリーグ敗退なのに押さえられてしまっているのかゴールに迫るプレイが少なかった。前半中頃に他会場のスロバキアが先制した情報が入り、パラグアイの優位な立場は増した。結局試合はスコアレスドローで終わり、あまり見せ場のない退屈な試合になった。ニュージーランドは勝てば1位通過できる可能性も残っていたのにと思うと残念だ。試合後にパラグアイの選手2、3人が脱いだくつしたを丸めて、サポーター席に投げていたのがおかしかった。


16.00(23:00日本時間)      スロバキア 対 イタリア 3−2 グループF (ヨハネスブルグ/エリスパーク) 

スロバキアはここまでの2戦、プレイやチームにあまり目立ったところがなく、勝ち点も1しかなくこのグループ最下位だったので、「イタリアに先制」のニュースを聞いたときは驚いた。この日はスロバキアはモチベーションが上がっていたのか、元気のいいプレイで再三チャンスをつくっていた。最初のゴールの後も攻め続け、前半1−0で終えた。イタリアは後半にメンバー二人を入れ替えて修正してきたが、決定機を逃すなどいいところなし。ケガで調整中の主軸のピルロを追って投入し、少し流れが変わったようにも見えたが、スロバキアは攻守に集中、73分追加点を入れる。やっとイタリアが1点返すも、終了直前にスロバキアがまた1点。イタリアはロスタイムが終わる寸前にまた1点入れるが届かなかった。スロバキアは分離独立後初めてのW杯出場でベスト16に進出した。


20:30(25日3:30日本時間)    日本 対 デンマーク 3−1 グループE (ルステンブルグ) 

ヨーロッパ予選を1位通過してきた国に、W杯の本番で日本が勝てるとは正直驚いた。プレイも前の2戦とは違い積極的に相手ゴールに迫り、試合としても面白かった。出だしデンマークのペースかな、と思っていたら、早い時間帯にFKを得て1点先制し、それがよかったのかさらに攻めを見せてまたFKを得た。それも得点。まだ前半ではあるが引き分けでいい試合に2得点は大きい。日本の選手たちは自信を持って懸命にプレイしているように見えた。後半デンマークにPKを与えて2−1になってもあわてることなく、さらに1点追加して終了した。こんな余裕のあるゲームを日本代表チームができるとは、かなりのサプライズだった。南アフリカ出発直前の韓国との親善試合に負けたとき、「この負けがワールドカップの試合で生きたな、と思えるようにしたい」と本田が言っていたことを思い出した。


20:30(25日3:30日本時間)    カメルーン 対 オランダ 1−2 グループE (ケープタウン) 

決勝トーナメント進出が決まっているチームと敗退したチームの対戦。カメルーンが最後の試合で何を見せるかに注目していたが、やはり消化試合という感じになった。ファンペルシーのゴールやケガから復帰中の初登場ロッベンのプレイなど局面で多少の見せ場はあったが、試合そのものは退屈だった。中継の前の紹介ビデオで、カメルーンのA・ソングが「個人のエゴがあり、プレイとは関係のないところでチーム内が不調和となったため、サポーターを欺いてしまった。」と語っていた。この試合でエトーのPKが決まって1点取ったが、エトーのそばに行く者は少なく、チームに喜びの表情は見られなかった。サッカーは人間がやるもの、チームでやるもの、そこに調和や協同がなかったらパフォーマンスの質を高めることは難しいだろう。素晴らしいチームプレイが人の心を動かす理由もそこにあるのかもしれない。

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