ぼくは変な理由で階段が好き。階段をのぼって、自分の成し遂げたことを確かめ、その高さを感じるっていう。エレベーターは近道ではある。ピッツバーグの「学びの大聖堂」の最上階行きエレベーターに乗るときなんかは、つっ立って壁をみてる以外することはない。つまり、景色としては、地上にいるのと変わらない。


      回転トビラの中に 小さな女の子
      入るでも、出ていくでもない
      回ってるだけ

      little girl in revolving doors:
      not entering, not exiting,
      just circling


「学びの大聖堂」のそばに、小さな教会がある。中を一度見てみたいと思っていたけれど、ぼくがピッツバーグに行くたびに、いっつも閉まってるんだ。開館日は決まっているんだろうから、ぼくが見てないだけの話なんだけど。

      正午のピッツバーグ
      カワイコちゃんたちが草地で日光浴
      閉まった教会のまわりで

      Pittsburgh noon:
      pretty chicks tanning in the grass
      around a closed church


フィップス温室。パステルをもって、花を描きに行った。人が寄って来てはこう言う。「まあ、すてき」そして可能なかぎりのジャマをしていく。ただ一人、気にいったのは、小さな男の子で、その子は黙ってそばに来て赤いパステルを1本つかんだ。そうしたらお母さんがとんで来て、その子をつかまえて、「イクスキューズ・アス」と言った。


      らんの花いっぱい!その中で
      メガネの女の子がひとり
      全部の花の名を写してる!

      orchids! among them -
      a girl with glasses trying
      to copy all names!





描きかけのパステル画
ゴミ箱行き。トイレのドアには
ぼくの指紋がいっぱい

unfnished pastel
in the trash - my fingerprints
on the bathroom door





      春の地域市で
      小さな貝殻のイヤリング
      海を少し、きみに

      Strip District Fair
      earrings made of little shells
      bits of ocean for you





ずっと長いこと
なんで髪、
切らなかったかな?

longer days -
why don't I have
my hair cut?





      チョウチョがいない
      辞書の空箱にとじこめた
      オフィスの床の上で

      no butterfly
      just an empty cover of dictionary
      on the office floor

      =back=