バショーさんっ!
かわずの やつらの
水しぶき


help me, Basho!
herds of ugly frogs
splashing in the pond!





急いじゃだめだ富士山は
きみは砂粒
カタツムリの殻の上


don't hasten climbing Fuji:
you'll see - it's just
a sandgrain on a snailshell





      夜の 雨
      とおくに 光りの輪
      窓に 水の玉


      night rain -
      some lights far away,
      some drops on the pane





男は雨が好きなのに
ある日女がやって来て
傘がなくちゃと差しかけた

he loved the rain
she came into his life
and gave him an umbrella





      冬の部屋
      壁のうえの 北斎が
      しぶきを上げて 凍りつく


      winter: on my wall
      Hokusai's Great Wave hangs
      motionlessly



ネクラソフスキー・マーケットの花市場。すごい香りのカクテル! コンドームの箱が置いてある花台がある。売り子がそれを手にとり、はさみで切って中の薄いリングを取りだす。そして、チューリップのつぼみにその輪っかをかぶせる。そうすると、花は売る日が来るまで開かない。だけど、花たちはそんなに長く待つこともない。明日は3月8日、『女たちの記念日』。咲きたくてうずうずしているのに、しっかりつぼみを握られているチューリップたちを手に、男たちは町中を走りまわるんだろうな。



      「ミャーッ!」
      その娘の猫が ツメをとぐ
      片っぱしから 椅子のあし


      "marrrch!" -
      her cat rubs up the legs
      of every chair in its way

      =back=