年に1回、授業最初の日に、M町で開かれる地域祭り。見に行ったけど、いちばん面白かったものといえば、巨大カマキリ。なんとそれは、群集のまっただ中、アスファルトの道路に無造作にすわってた。カマキリなんて、本の中以外に、見たことなかったからね。



      歩道の上
      カマキリが首をまわす
      影を追って

      on the sidewalk
      praying mantis turns its head
      to approaching shadows


M町、M's townはアレクセイが通っていたウエスト・ヴァージニア大学のある町、モーガンタウンの略名。ここで、アレクセイは2年間、コンピューター・サイエンスの勉強のため大学院に在籍していた。1996年ロシアに帰国。






天井の水音で目がさめる。天窓っていうのは実にすごいや。ベッドから、直接空が見えるんだからね。屋根の中に、窓のわれ目があるだけなのに。



      秋の雨
      ポーチのアームチェアには
      からっぽの水鉄砲

      autumn rain:
      in an armchair on the porch -
      an empty water gun





ピンクの壁紙に
ぼくの手で犬の影絵
キミのための劇場

on pink wallpaper
a dog-shaped shadow of my hand
theater for one





      日曜の朝の散歩
      フリーマーケット→ と指すのは
      教会のこと


      sunday morning walk -
      flea market --> points
      right at a church





ゆっくり燃えて!
道ばたの
紅葉よ


slow down ! - a flash
of autumn leaves
at the roadside





      月のない夜
      きのうの紅茶カップに浮かぶ
      最後の切れっぱしレモン


      moonless night
      last slice of lemon
      in a cup with yesterday's tea

      =back=