leaf miner(葉っぱの坑夫)


 リーフマイナーというのは、葉っぱの中に住んで食料を得ている虫の幼虫のことです。葉っぱに穴をあけたり、白くて細いくねくねしたトンネル道を掘ったり、茶や白のシミをつけたりします。
 リーフマイナーは、草木の見た目をそこないはしますが、草木そのものをだめにしてしまうことはあまりありません。
 ある日のこと、わたしはカメラをもって、家の近くを散歩していました。そのとき、小さな穴のいっぱいあいたレースのような葉っぱを見つけました。そばには、ニョロニョロした白い線がついた葉っぱもありました。とてもきれいでした。わたしはもっていたカメラでそれを撮りました。それがリーフマイナーの仕事と知ったのは、あとになってからです。
 リーフマイナーの仕事ぶりは、普通の人にとっては、あまり好ましいものではないかもしれません。ガーデナーたちにとっては不快なものでしょう、きっと。少なくとも、美しいとは思わないのでは。でもわたしには、その仕事ぶりがなんとも愉快で生き生きしているように見えたのです。

なぜ、わたしたちの名前を、葉っぱの坑夫にしたか:
 こう思いました。もし葉の生い茂った一本の木が、わたしたちの社会をおおっているマスメディアの世界だとしたら、葉っぱの坑夫は、ほんの小さな力ながら、リーフマイナーが葉っぱにトンネルを掘ったりレース模様をつくったりするように、楽しいアイディアを生みだしたり、表にあまりでてこないもう一つの価値観に光をあてることができるのではないかと。
 だから葉っぱの坑夫は、ユニークで才能ある自立した人たちやその仕事と、たくさん出会いたいと思っています。わたしたちがいいと思うものなら、有名でも無名でもいいし、それが世の中のおおかたの価値観と一致していなくても、いっしょにその素晴らしさを共有し、表現していきたいと考えています。