二夏続けて、一羽のアカオノスリが毎日、午後三時から四時のあいだにこの草地にやって来て、品のいい冒険者の空気をふりまきながら、急降下しては高く舞い上がる素晴らしい飛翔を見せていった。何をそこで見つけたかは、想像するしかないが、隠れたがりのナボトの草地の小さな民たちだろう。葉のない季節、日射しが低く傾いた時間帯にだけ目にすることができるのは、小さなシカのような跳び方で長くてきれいな脇腹を見せて走るジャックラビット、そして遅めの午後にウサギ路を跳ねていく小さなワタオウサギ。でも巣穴族やジリス、ネズミたちのほうは、目にしたとしてもせいぜい、新しい巣の入り口にできた真新しい土の山か、モズがトゲだらけの灌木に引っ掛けた哀れなその身のきれっぱしくらいのもの。

 とても静かな草地、これがわたしの隣りの草地、とは言ってもよく見れば賑やかで、ちょうどいい具合にいろいろなもの、楽しいものが入り混じった場所。ちょっとした砂地にちょっとした黒土、草の多い地面があって、石の小山が一つ二つ、茶色い水の流れがあって、人間味も少し、モカシンで踏み固められた小道が通る、そんな草地。ナボトはここを区分して売りに出し、金持ちになりたいともくろんでいる。でもセヤビ婆さんと話をするために集落への道を歩いているとき、この草地がそれで生かされたとしても、今以上の幸せがあるとは思えない。いや、これ以上の幸せなんてあり得ない。


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